泰阜村は下伊那の南東、天竜川の東側に位置し、東西10.8km、南北16.0km、総面積64.5km2の山間へき地である。山林は広大で、林野率は86.6%を占め、標高差が大きく、起伏の多い急峻な斜面に21の集落が点在している。
水清く緑多い豊かな自然に恵まれ、地域の一部は奥三河国定公園に指定されている。恵まれた自然の風土は、彫刻家倉沢興世やアララギ歌人金田千鶴を排出している。万場地区にある北小学校には、全国にも希な学校美術館を持つなど文化性は高い。
かつて、旧満州開拓団として移民した村民が全国で最も多く、毎年数名の家族が帰国している。そのため中国引揚者子女学級が県下で最も早い時期、昭和49年12月に設置された。平成9年より、国際交流事業として、中学生有志の参加による中国方正県への研修を行っていたが、現在は、戦没者及び満蒙開拓団追悼式へ全校で参加し、泰阜の様子が歌われている「校歌」を合唱している。
また、村の過疎対策として誘致した通年合宿施設「グリーンウッド自然体験教育センター」(通称ダイダラボッチ)から、他県の児童生徒十数名が村の小中学校に通学している。